専門家の視点を持とう

介護現場には、様々な専門職が働いています。
介護福祉士、看護師、作業療法士、社会福祉士、介護支援専門員など、それぞれ専門とする分野が違っていますが、「社会福祉士だからトイレ介助はしません」「作業療法士だから入浴はできません」ということはできません。それができる所は、医療機関かよほど人材が豊富な施設になることでしょう。大抵の職場は、各職種の垣根を超えてお互いに協力しあうことで成り立っています。
そんな中で、専門職としてのやりがいとはどのようなことを言うのでしょうか。様々な職種が同じような仕事をこなしていくことになりますので、自らの職種のアイデンティティーがあやふやになってしまう事態にも陥りかねません。まして介護福祉士や社会福祉士は業務独占資格ではないので、その業務は誰がやってもいいといった類のもののようです。そんな中で、どこにやりがいを見出すかということになりますが、その為にはまず自分の職種の専門性は何かということが明確に説明できなければいけません。
「自分は何に重きを置いているのか」「この業務を遂行するにあたり何を重視して行っているのか」そうやって考えていることが、専門性に繋がっていきます。そしてそれを言語化し、自らの規範とすることができれば、同じ業務を行っていても他の専門職とは違う専門家としての目を持って仕事ができるようになります。専門家の視点を持つことができれば全ての業務に対し、その視点をもって臨むことができます。そうなれば、専門職として仕事にやりがいが持てることでしょう。